3分でわかるTotal Warの始め方|知らないゲームの面白さを3分で届ける
知らないゲームの面白さを3分で届ける
『Total War』という名前は知っている。でも、どんなゲームなのかはよくわからない。あるいは、その名前にもまだ出会っていない。そんな人が一本の映像を見て、「ちょっと面白そうだな」と感じるまでに、何を届ければいいのだろう。
相談を受けたとき、制作に携わる杉本一就と加納圭将も、このシリーズを深く知っていたわけではなかった。歴史を題材にした作品もあれば、ファンタジーの世界を舞台にした作品もある。その幅広さを理解するところから、映像づくりは始まった。
実際に遊んで感じた、大軍勢がぶつかり合う迫力。ゲームの仕組みを説明しようとすると現れる、複雑な情報。約5分の案から3分へと映像を絞るなかで、二人は「初めて見る人に、どこまで伝えるか」を考え続けた。
杉本にとっては、正式にディレクターとして名を背負う最初の案件でもある。前原朋之と3人で話す、知らない作品と向き合う方法と、3分の映像に込めた判断の話。
話し手:杉本 一就/加納 圭将/前原 朋之

知らないことも伝えたうえで始まった仕事
まず、今回の仕事はどんな相談から始まったのでしょうか。
セガさんから、『Total War』というシリーズを日本に広めていきたい、そのための映像をつくれないか、というご相談をいただきました。最初にお話をいただいたのは2025年の9月頃で、公開が11月。制作期間としては、だいたい2か月半から3か月くらいですね。
YouTube向けの企画としてご相談いただいていました。ただ、最初から映像の尺や構成が決まっていたわけではありません。『Total War』というシリーズ全体を、どんな形で紹介すればいいか。そこから考える仕事でした。企画を提案するところから、進行、ディレクションまで担当しています。
単体の新作を紹介するというより、シリーズそのものの入口をつくるような相談だったんですね。二人は、もともとプレイしたことがあったんですか。
プレイしたことはありませんでした。名前は知っていましたし、YouTubeで配信者さんの動画を見ていて、タイトルを目にすることはありました。でも、内容を詳しく知っていたわけではないです。
僕も知らなかったです。名前を知っているかどうかもちょっと怪しいくらいで、そのことは最初にお伝えしていました。それでも、ぜひお願いしたいというお話をいただいたんです。
そこには、何を期待していただいていたんでしょう。
それまでにもセガさんとは、『Enotria: The Last Song』や『ツーポイントミュージアム』などの映像でご一緒していました。ゲームの伝えたい部分をきちんと映すこと、自分たちでゲーム画面の撮影まで行って、全体を支えられること。そういうところを評価していただいていたと思います。
以前の仕事にも、僕らが最初から詳しかったわけではないタイトルはありました。それでも、実際に理解を深めて、セガさんや開発の方が伝えたいところを拾っていく。その積み重ねがあって、今回も声をかけていただけたのかなと。
最初の打ち合わせで印象的だったのは、日本での認知をこれから広げていくための、最初の一本をつくりたいというお話でした。僕らが「知らない」と言うこと自体も、先方が捉えている状況から大きく離れていなかったんです。じゃあ、その状態からどうやって興味を持ってもらうか。そこに向き合うところから始まりました。
遊んで理解することから映像を考える
とはいえ、シリーズにはかなりの数の作品がありますよね。理解を深める作業は、どう進めたんですか。
タイトルの数が多いんですよ。過去のシリーズも含めて、まず全体を知る必要がありました。そのうえで、今回少し詳しく取り上げたいタイトルもある。セガさんから情報やプレイ環境をご用意いただいて、主要なタイトルを実際に遊んでいきました。
一つのゲームだけを理解すればいい仕事とは、扱うボリュームが違います。シリーズに共通する面白さと、それぞれの作品ならではの部分。その両方を見ていく必要がありました。
3か月という期間で、それを一人で全部やるのは難しいですよね。
実際の撮影担当と二人三脚で進めました。ゲームをプレイして、画面を撮影して、映像に必要な素材を用意する。その部分を支えてもらいました。
それに、映像として見栄えがいいだけではいけないんです。例えば、この軍勢とこの軍勢はゲームのなかではどういう関係なのか。プレイしている人ならわかることがありますよね。そういう細かい設定まで、僕一人では全部を見きれない。そこを確認してもらいながらつくっていきました。
初めて触れる人に向けた映像でも、もともとのプレイヤーが見たときに、ちゃんと作品をわかってつくっていると感じてもらいたい。そのためにも、ゲームの中身を理解する作業は必要でした。
最初からそのシリーズに詳しい人に任せた、というわけでもないんですか。
そうではなくて、一緒に理解を深めていきました。チームとしても、初めましての状態から取り組んだプロジェクトだったと思います。
自分たちが初めて遊ぶ。その体験が、初めて見る人の入口にもつながっているんですね。

説明を聞くだけではわからなかった迫力
実際にプレイして、これは魅力だと感じたのはどこでしたか。
クライアントから聞いていた特徴と、自分で遊んで強く感じた魅力には、少し違うところがありました。
もともと説明いただいていたのは、リアルタイムで軍勢が戦う場面と、ターン制で駒を動かすように進める場面、その二つが共存しているということです。ゲームの仕組みとして、とても大事な特徴なんですが、僕は戦略シミュレーションをたくさん遊んできたわけではないので、プレイする前は、その面白さを実感できていなかったんです。
でも、遊んでみて最初に惹かれたのは、リアルタイムで戦う場面の迫力でした。広大な土地に、とんでもない数の軍勢がいる。そこで起きている戦いの生々しさが、自分の想像していたシミュレーションゲームとは違ったんです。
数字やゲージが減って、どちらかが勝つ。そういう見え方だけではないんですよね。
そうなんです。人やモンスターが動いていて、戦っている。そのグラフィックや動きも含めて、すごく生々しい。システムを操作しているだけという感覚とは違って、その世界の戦いを見ている感じがありました。どっちが勝つんだろう、というところにも目が行くし、それ自体に面白さを感じたんです。
僕も映像を見て、馬に乗って槍を突き出すようなシーンが印象に残りました。あそこだけを見ると、アクションゲームみたいにも見える。シミュレーションゲームで、こういう画が見られるとは思っていなかったんですよ。
あれは『THREE KINGDOMS』のシーンですね。そういうところも知ってほしくて、採用しています。
じゃあ、いま僕が抱いている「思っていたゲームと違う」という感想は、かなり狙っていた体験なんですね。
そうですね。初めてプレイしたからこそ、ここは魅力なんじゃないかと思えた部分がありました。『Total War』という名前や、ジャンルの説明からだけでは想像しにくいところを、映像で感じてもらいたかったんです。

まず見てみようと思える入口をつくる
今回の映像は、かなり感覚的に見られるようにつくられていますよね。部隊を編成する画面や、情報が細かく並ぶ画面を、あまり見せていない。そのあたりにも狙いがあったんですか。
狙いがありました。僕が最初に感じた課題は、とっつきにくさだったんです。タイトルや絵柄、ゲームの仕組みから、「海外のゲームだな」「難しそうだな」と感じる人はいると思います。どんなゲームかを知る前に、自分の興味の対象ではないと判断されてしまう。その心理的なハードルを、まず下げたいと思いました。
ゲーム内のUI、つまり操作や情報を表示する画面にも、細かい要素がたくさんあります。それをそのまま映像に出すと、初めて見る人は、どこを見ればいいかわからなくなってしまう。僕の感覚では、目線が迷子になるような状態です。
だから、そういう画面はなるべく避けて、まずは「かっこいいな」「ちょっと見てみたいな」と思えるところを見せたかった。思っているよりも、こういう迫力があるゲームなんだよ、と。
名前を覚えてもらうだけではなくて、興味を持ってもらうまでの距離も縮めたかったんですね。
そうですね。初めましての人に、そのまま離脱されないこと。そのために、どの画面を出すか、何を説明するかを考えています。
作り手としては、ゲームの細かな仕組みを理解する。でも、見せるときには、その情報を全部並べるわけではない。
理解するために必要な情報と、最初に見てもらう映像に必要な情報は、同じ量にはならないんですよね。細かいこともわかったうえで、最初にどこを見てもらうかを決めていく。その作業が大きかったと思います。

約5分から3分へと変わった理由
「3分でわかる」という企画は、最初からその尺で考えていたんですか。
最初は約5分で組んでいました。Vコンという、構成や流れを映像で確認するための案をつくって、一度お見せしています。4分49秒くらいだったと思います。
個人的には、これだけのタイトル数があって、シリーズの歴史も紹介するなら、5分は必要だと思っていたんです。あまり小難しくはしたくない。でも、3分にまとめると、逆に何のゲームなのかわからなくなってしまわないか、という心配もありました。
まずは、その5分の案をどう受け止めていただいたんでしょう。
見やすくまとまっているという反応はいただきました。そのうえで、セガさんから、3分にもトライしてみたいというお話があったんです。
まだ知らない人に向けて届けるということを考えると、5分でも長く感じられるかもしれない。そういう視点でした。僕はシリーズの歴史を背負っている感覚が強くて、3分で伝えきれるかなと、ずっと考えていたんですが。
YouTubeのおすすめに出てきたとき、3分だと押しやすいというのはありますよね。5分になると、見る側の構え方も少し変わる。
僕は「3分クッキング」みたいな感覚もあるのかなと思ったんです。料理の細かな技術や道具の選び方まで説明し始めると、いくらでも長くなる。でも、「これをすると、こうなる」という流れが見えると、やってみようと思いやすい。最初の入口では、その感覚が大事なのかもしれないですね。
そうですね。ただ、5分から2分削るとなると、かなり大きな変更です。何となく短くするだけだと、わかりづらくなってしまうし、ほかのゲームとの違いも伝わらなくなってしまう。そこは気になりました。
具体的には、何を変えたんですか。
最初は、ゲームシステムをもう少し丁寧に説明する台本になっていました。リアルタイムの戦いとターン制の進行が共存していることは、作品の大きな特徴としていただいていたので、そこを順番に伝えようとしていたんです。
でも、3分にするにあたって、そこも感覚的にわかる形に一度変えてみました。紹介の仕方が、もう少し概念的になったというか、雰囲気を伝える映像へと変わっていったんです。
完成した映像も、ナレーションの情報量はしっかりありますよね。それでも、場面が次々と変わるので、長く感じにくい。説明することと、画で感じてもらうことの配分が、そこで変わったんですね。
そうです。最初に考えた案をそのまま守るというより、初めて見る人にどう届けるかという目的に合わせて、落としどころを探していった感じです。

目的を共有しているから、企画も変えられる
今回の話で面白いと思ったのは、尺が変わっても、目的はズレていないことです。15秒や30秒と枠が決まっている広告とは少し違って、「初めて見る人に興味を持ってもらう」という目的に合わせて、映像の形を調整している。
ただ、5分を3分に変えるのは、映像そのものを変えることでもありますよね。構成も台本も変わるので、ある意味では企画を出し直している。それを、約3か月という期間のなかで進められた。
最初の5分の案にも、自分なりの理由はありました。でも、3分にするというお話をいただいて、もう一度考えることになったんです。結果として、システムの説明を中心にする形から、もっと感覚的に魅力が伝わる形へと変わりました。
自分でゲームに触れて、企画を考えて、制作全体を見ている。そのことが、組み直すときにも効いていたのかもしれないですね。
どこか一部分の作業だけを見ていると、尺が変わったときに、改めて全体を確認するところから始めないといけない。でも、ゲームの理解と企画の意図がつながっていれば、何を残すべきかを考えやすい。今回の仕事には、うちの制作体制の特徴も表れている気がします。
最初にいただいていた、日本に『Total War』を広めたいという目的は変わっていませんでした。そのなかで、初めて見る人が離れてしまわないように、どんな映像にするかを考え続けたということですね。
時代も世界も違う作品を、一つの映像にまとめる
構成以外で、判断に迷ったところはありましたか。僕は、デザイナーさんに入ってもらう話をしていたミーティングが印象に残っています。
デザイナーさんに入ってもらうこと自体は、ゲームをプレイした段階で、僕のなかでは決めていました。難しかったのは、どういうデザインにするかです。
今回は、特定の一作品を紹介する映像ではありません。『Total War』というシリーズ全体を背負った映像になるので、各タイトルの色がばらばらなところを、どう一つにまとめるか。そこは、一つの壁だったと思います。
舞台になる国や時代も、かなり違いますよね。ローマもあれば、中国、日本、エジプトもある。さらに、ドラゴンやディーモンが出てくるようなファンタジーの世界まである。
そうなんです。国も大陸も違うし、時代も違う。そのなかで共通する「戦い」や「歴史」というところに、デザインの焦点を当てていきました。
映像を見ると、文字や装飾にかなり一貫性がありますよね。ゲーム画面の世界観が変わっても、フォントやあしらいが統一されているから、同じシリーズの紹介として見られる。そのあたりも、ゲームを見ながら決めていったんですか。
そうですね。今回は、日本向けの紹介映像で使うフォントなどについて、特に指定をいただいていたわけではありませんでした。ゲームから感じた雰囲気や、それぞれの作品が持っている特徴をもとに、デザインに落とし込んでいます。
紹介する中身を理解することが、そのまま画面全体のつくり方にもつながっているんですね。


異なる時代や世界を持つ作品、共通の背景と文字表現の中で切り替え、一つのシリーズとしてつなぐ。
自分たちで決めた制約のなかで、魅力を探す
今回の映像に、自分たちらしさは出せたと思いますか。
出せたと思っています。ただ、ぱっと見ただけでは、どこに工夫があるかは伝わりにくいかもしれません。
例えば、さっき話したUIの画面をなるべく使わないことは、こちらが自分たちに課した制約なんです。本来なら使えるゲーム画面を、初めて見る人のハードルを下げるために、あえて使わないようにしている。
デザインも、決まったものをそのまま当てはめるのではなく、自分たちで考える必要がありました。そうした条件のなかで、このシリーズをどう面白く、かっこよく、魅力的に見せるか。そこに努力を込められたとは思っています。
目立つ表現を足すだけではなくて、何を見せるか、何を見せないかを決めるところにも、作り手の判断が入っている。
僕は、どの仕事でも、タイトルが繁栄することを願ってつくるんです。
繁栄というのは、その作品が盛り上がるということですか。
そうですね。今回は『Total War』ですけど、「いま、このゲームが熱い」と思ってもらえるきっかけになればいいなと。そういう気持ちは、毎回持っています。
映像を見て、かっこいい、面白そうと思ってもらう。そこから、別の動画も見てみようかな、ゲームをプレイしてみようかな、と感じてもらう。そういうきっかけをつくるために、細かな画面の選び方やデザインを考えています。そこを、僕自身のらしさにしていきたいと思っています。
杉本一就という一人の人が、実際にゲームに触れて、ここに惹かれたという感覚がある。それを映像として差し出して、見た人にも興味を持ってもらう。今回の仕事は、そういう側面もありますね。
しかも、プロデューサーとディレクターを兼ねているから、提案に対する反応も直接受け取ることになる。自分の判断が届いたかどうかが、かなりはっきり返ってくる仕事でもあると。
映像が届いた、その先まで考える
完成したあとの手応えは、どうでしたか。
再生数も一つの指標になりますし、当初予定にはなかった日本公式サイトにも掲載していただきました。YouTubeの企画としてつくった映像を、別の場所でも届けていただけたことは、うれしかったです。
制作会社としては、まず依頼してくださった担当者の方に喜んでいただくことが大事。でも、いまの話を聞くと、さらにその先にいるプレイヤーの方々にどう届くかを、同じ目線で見ている感じがします。
『Total War』が盛り上がって、プレイヤーが楽しんでくれることが、セガさんにとってもうれしい。そのための映像を一緒につくるということですよね。
そうですね。このゲームをどう届けるかということを、チームとして考えながらつくった仕事だったと思います。
一方で、もっとできることもありそう。Youtubeのコメントを見ていると、日本語への対応を求める声もありました。そういう言葉も、実際に遊びたいと思っている人の声じゃないですか。
映像の反応だけでなく、何を望んでいるのかまで拾って、クライアントと共有していけるといい。僕ら自身も、もう少しプレイヤーに近いところで、できることを増やしていきたいところですよね。
今回も、日本に向けてシリーズを届けていくという動きのなかで、まず『Total War』を知ってもらう必要がある、という背景がありました。今後の新作で日本語に対応していくという話も含めて、日本のユーザーに公式に届けられることは楽しみですね。
今回の仕事から、次の仕事にもつながっているんですよね。
はい。シリーズの次回作に関わる映像でも、引き続きご一緒しています。
一本つくって終わりではなく、継続して関われるのはありがたいことですね。そのうえで、これからは、どこをゴールにするかも、もっと共有していきたい。どんな反応がほしいのかという話に加えて、数字として何を目指しているのかも含めて。
僕らがプロモーション全体の目標を決める立場ではなくても、制作するときの目線を合わせるために知っておけることはあると思うんです。そういうことも話しながら進められれば、もっといいチームになれる気がします。
初めて正式に背負った、ディレクターという役割
杉本さんにとっては、プロデューサーとディレクターを兼ねる最初の案件だったんですよね。自分自身の仕事として、どんな手応えがありましたか。
手応えはありました。ディレクターという肩書きを正式に背負って仕事をするのは初めてだったんですけど、それまで全くディレクションをしたことがなかったわけではありません。
プロデューサーとして現場に入っているときも、細かな部分で判断したり、監督がいない場面で必要なディレクションをしたりすることはありました。表には出ないところで、そういう経験をしていたんです。
もともと撮影もするし、映像そのものをつくる人でもありますよね。
はい。今回、その経験をもとに、自分で全体を担当してみた。自分にもやれることがある、仕事として通用するところがあると実感できたのは、大きかったと思います。
それまで部分的にやってきたことを、一つの仕事として引き受けたわけですね。そこから、プロデューサーとディレクターを兼ねる仕事も続いている。いいスタートになった案件だったんだなと思います。
映像に映らない役割にも、仕事の跡がある
加納さんは、今回の仕事をどう振り返っていますか。
僕らの仕事では、最初は知らないタイトルを扱うこと自体は、よくあります。新しいIPであれば、世の中の人もまだ誰も知らないものを、これからプレイする人にどう伝えるかを考えることになります。
今回は歴史のあるシリーズでしたけど、初めて出会う人に伝えるという点では、共通するところがあります。杉本がプロデューサーとディレクターを兼ねて、クライアントとも話しながらまとめてくれた。見た人の「面白そう」という気持ちを動かす映像にできたのではないかと、僕は感じています。
そのなかで、加納さん自身が残した仕事の跡は、どこにあると思いますか。
僕は、自分が爪痕を残したという感覚を、仕事のなかであまり持つことがないんです。
でも、例えば最初に相談を受けたときに、「そのゲーム、名前は知っています」と話せることにも意味があると思うんですよ。僕らは知らなかったわけですから。最初の会話ができることや、相手の話を理解できることが、次につながっているかもしれない。
見える映像のなかに直接残っていなくても、加納さんの価値が出ているところはあるはずです。本人が実感していないのは、少しもったいない気もします。
戦略シミュレーションのジャンルは、昔から遊んでいました。日本のタイトルにも触れていたので、『Total War』はそこから何が違うのかという話は、比較的すっと入ってきたんです。そのことは、コミュニケーションを取るうえで役立ったかもしれません。
そこは一つありますよね。タイトルそのものには詳しくなくても、ジャンルへの理解が、最初のやり取りを支えていた。
これからは、できた映像が最初の目的に沿っているかを、加納さんの立場から見られるようになると、さらにいいと思います。つくっている人は、どうしても制作そのものに集中するので、少し違う位置から確認できる人がいると、チームとして強くなる。
レーベル全体を支える役割も広がっていくなかで、どこで自分の力を出していくか。次のテーマは、自分が残した仕事の跡を、もう少し自分でも捉えることかもしれませんね。
意外と面白いから、やってみてほしい
最後に、映像を見てくださった方や、これから『Total War』に触れる方へ、一言もらえますか。大きく構えず、等身大の言葉で。
シンプルに、見た人はぜひ『Total War』シリーズをやってください。それだけです。
最初は心理的なハードルがあるかもしれないけど、思っている以上に面白い。じっくり遊ぶこともできるし、一戦だけ遊ぶこともできる。何より、あの大きな戦場を自分で動かしている感覚が気持ちいいんですよね。
いろいろ話してきましたし、映像のなかでもいろいろ伝えていますけど、最後は「意外とおもろいから、やってみ」にたどり着くのかもしれません。
知らないところから始まった制作は、自分たちが感じた面白さを、次に初めて出会う人へ手渡す仕事になった。すべてを説明しきるには短い3分。その時間に二人がつくろうとしたのは、遊び始める前の気持ちが、少し動くような入口だった。
制作概要
作品:3分でわかるTotal Warの始め方
クライアント:株式会社セガ
制作時期:2025年9月頃から11月頃/約2か月半〜3か月
公開時期:2025年11月/2025年11月28日のセガ公式発表で本映像を紹介
企画・プロデュース・ディレクション:杉本 一就
営業・クライアントコミュニケーション:加納 圭将
主な公開先:YouTube/Total War 日本公式サイト
関連制作:短尺版・縦型などの別展開あり。本稿では3分版を中心に扱う。
CREDITS
2025.11|企画・プロデュース・ディレクション
- 企画・プロデュース・ディレクション
- 杉本 一就
- 営業・クライアントコミュニケーション
- 加納 圭将